「ゆきー!起きてるのー?」 「はーい」 一階からお母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。 まだ、目が開いて数分しか経っていない私の瞳は直ぐに蓋をしてしまいそう。 そんな瞳を無理やりに抉じ開けて、閉じてしまう前にと仕度を始めた。 そして、ある程度の準備を終えると、リビングへと向かう。 「おはよう」 「おはよう、ゆき」 「お母さん、海姉(ウミネェ)おはよう。お父さんも…」 ダイニングテーブルの上、そこに置いてある写真に声をかける。