私がこの学園を選んだのはお父さんの望みだったから。

そうじゃなければ、誰が好き好んで選ぶものですか。

まあ、彼女たちにこんなことを言っても何かが変わるとは思ってないし、何も言わないけど。


「ねえ、聞こえているのでしょう?田辺さん」

「何か言ったらどうなのかしら」

「……」


何も言いません。何も言いません。

と言うか、聞こえていません。