「すみません。原口くんは…?」

「雅貴様なら、既に会場入りしています」


ドレスを身に纏い、学校を出る。すると、そこに待っていたのは一台の黒塗りのベンツ。

後部座席の入り口には運転手と思しき人が立っていて、私は促されるままにその車の中へと座らされていた。

これも、原口くんが用意したの?彼って、一体何者なの?

こんな立派なドレスを用意して、10人ものメイクさんが居て、そしてベンツ。

どう考えても、庶民が用意出来るものじゃない。