その頃、御堂



「どうなってんだ?」

幸大が御堂の扉を開けると水の壁があった


「入ってみるか…

ゴボッ!?」

部屋の中は水であり、当然幸大は息が出来ずにもがく



「ありゃりゃ…泳げないの?」

天井の梁に座る女性が釣竿を構えると針の無い重りだけ付いた釣糸を幸大の近くに垂らした




「ぶはっ!!

死ぬかと思った!」

幸大は梁に寝転びながら言う

「さっそくだけど…修行内容を教えよう!!


私は奈都(なつ)。


君にやってもらうのは、床にあるあの鉄のボールを取ってきてもらうだけ。」


「な!?

泳げませんよ?」


「泳げないなら沈めばいい。」

「マジっすか!?」

「大丈夫。

死ぬ前にこのフックの付いた釣竿で釣り上げるから。」


奈都が言う

「はぁ…

やるしかないのか。」


「ちなみに鉄のボールの中にはお宝が入ってるから、修行が終わったらプレゼント。


中身は今のところは秘密!」

奈都が言う


「はいはい。」

「じゃ、どーん!」


ザブンッ!!

「な!?」

奈都が幸大を突き落とす


「あ…言い忘れたけど、小魚が泳いでるから。」


奈都の言葉は幸大に届かない




ザァーッ!!

小魚の大群が物凄いスピードで幸大を通過する



「ゴボッ!?

ガバッ…グボッ!!」


幸大は進路が分からなくなる

息も無くなり、小魚がぶつかりダメージも受ける



「あ…それから水の流れは変わりやすいから気をつけてね。」



ゴウッ!!


「ガボッ!?」

幸大が急に現れた水流に流された


「あ…渦にも気をつけてね。」


「ガ…ゴポッ…」


息が出来なくなり渦に幸大は飲み込まれた