「それが戦わなかった理由とでも言うのか!?」


「ああ。」

「どういうことだ!!」


「私はあくまでも武人だ。


お前が私の目の前でやった見事な曲技は私も簡単にできる。」


「だったらやれば良かっただろう!!」


「今言ったばかりではないか。

私は武人だ。

大道芸を競うのは武人の私がやるべきことではない。

プロの大道芸人にしか任せられん。」


「は?」


「つまり、だ。


武人である私が半人前以下の大道芸人である貴様とは闘う土俵が違う。


だから闘わなかった…いや、闘いの場が違うのだから闘えなかったのだ。」


壮一郎が言う



「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!!


俺のことを大道芸人だと!?



ぶっ殺してやる!!」

隼人が壮一郎に飛びかかる



「喝!!」



ゴウッ…!

「な!?」

壮一郎の一喝が空気を弾き、隼人の体を震わせ動きを止めた


「これが最初で最後のお前との闘いだ。」


壮一郎はいつの間にか隼人の目の前にいた


「武神流真技…神槍!!」


ドヒュンッ!!


ドゴォンッ!!


壮一郎の拳が隼人の腹部を撃ち、隼人は100m以上奥の壁に完全にめり込んだ



「私が…負けるなど…」


気絶しようとする隼人



パァン!

その頬が叩かれた


「な!?


椿…!」


「久しぶりね。」

「あ、ああ…」




「さて…あなたをどうしてくれようかしら?」


椿が冷たい眼で隼人を見る