｢せっかくのデートだったのに、変な終わり方だな。｣

幸大が言う


｢これからたくさんデートをするんだ、こんな終わり方があっても面白いと思うな。｣

なずなが言う


｢そうだな。｣



｢あのねぇ、私の前でイチャイチャしないでくれる？｣

すみれが幸大を見て言う


｢悪い…。



じゃ、今日はもう疲れたら帰るから。

本当は送って行きたいけどもうフラフラだからさ。｣


幸大が言う

｢なら、私が送ろうか？｣


なずなが言う


｢なずなはすみれと一緒に帰ってくれ。

俺は途中の本屋でエロ本を立ち読みしてから帰るし。｣



｢な!?

君は私と云うものがありながらそんな本を読むのか!?｣


なずなが言う

｢いや…それとこれとは別だし。


じゃあ、また明日な。｣

幸大が歩き出した


｢ふんっ、すみれ…帰るぞ!!｣

｢あ、はい、御姉様!!｣



二人も帰路についた





｢はぁ…はぁ…


くそっ…ヤバイな。｣

幸大は人目につかない路地裏で座り込む


｢もう歩けねぇ…このまま眠りたい…｣

ドサッ…

幸大が横になる


｢アスファルトが冷たくていいな…｣

幸大が目を閉じようとする



｢こんなところで寝たら風邪をひくわよ？｣

女性が言う


｢…誰ですか？｣


｢私は朝霧かすみ。｣

｢朝霧…？｣


｢そう。

朝霧幸明の妻です。｣


｢え!?

師匠の!?｣


｢そうです。


旦那様に頼まれて…あなたを家に運ぶように言われたのよ。


どうせロクに歩けもしない…ってね。｣


｢さすが師匠。

よくわかってる…｣


｢そう言うわけで運ぶわ。｣


かすみは幸大の後ろ襟を掴んで引きずる


｢運び方も夫婦でそっくりだな…｣

幸大が呟いた