「殺される前に守ってくれるんだろ?」


幸大が言う




「いや〜お見事だね。」

幸明が現れた


「師匠…」

「君が殺される直前に助けようと思って見てたら勝っちゃうから驚きだよ。」


「見てたんならさっさと助けなさいよ。」

すみれが言う


「僕も色々手回ししてたのさ。


こんな町中の大通りでこんな派手な闘いをして警察が来ないのはおかしいと思わなかったかい?」


幸明が言う


「確かに、言われてみれば。」


なずなが言う



「それにしても、君は武の才能はないけどその分、発想が柔軟だね。



流流しを応用し相手の攻撃が顔面に来るようにした。

そして…本来は無傷でできるカウンター技の王独楽。


普通は上半身への攻撃をマトリックスのアレみたいに後ろに体を反らせて宙返りをしつつ相手の顎を蹴りあげる技だ。

それを顔面にわざとに喰らい、流流しで力を流して自分の力は最小限のまま相手の力で蹴りあげる。



君はもっと強くなれるよ。


そのために忘れちゃいけないよ?


君は弱いし闘いの才能もない。」



「わかってる。


だから、こうやってなんとか必死に…大切な奴を守ってるんだ。」


「うん、それでいい。



今日はもう休んだらどうだい?


明日からは新しい修行なんだからさ。」


「ああ。」



「う…」

男性が目を覚ました


「やぁ。

君にはちょっと用事があるからきてもらうよ。」


幸明が男性の後ろ襟を引っ張りながら立ち去った