ハートフル・アーツ

「俺もあいつも武神流の門弟だった。


俺は多くの大会で優勝し、教えられたことは全てマスターした。


武神流で一番だと周りからも言われたさ…。


あいつは大会に出ても一回戦で敗退。


運動も出来やしないし、武神流の動きもいつも間違って…


暇さえあれば椿と一緒だった!!



俺は椿と結婚する為に…人一倍練習をして武神流の継承者になれるように努力した。

天才の俺がさらに努力をしたんだ。


なのに…椿はあいつを選んだ。



だから、俺はその夜にあいつに言った。


『武神流はお前には継げない。

俺がお前を倒してでも武神流は俺が継ぐ、と。』


そうしたらあいつは

『武神流なんて正直俺にはどうしたら良いかわからないから、お前に任せても構わない。


俺は椿と平凡に暮らすだけで十分だ。』


とか抜かした。





俺は椿と武神流の両方が欲しかった!


なのに両方があいつのモノだった!



しかも、その時には既に…俺がどんなに頑張ろうとも…


あいつから譲ってもらう側、与えてもらう側でしか無いんだ。


なぜなら全てはあいつのモノだったからだ!!」