「さて、誰かに見つかる前に出るわよ。」

すみれが言う


「えー…せっかくだし探険しようよ!」

ジニーが幸大を引っ張りコンテナの積んでる方へ行こうとする


「ジニー、下がれ!」

幸大がジニーを引く


グルルルル…

幸大の傍らに白い虎の幻影が浮かんでいた


「殺気……みたいだな。」


幸大が言う


「死ニカケノ、私の、殺気にも、反応スルトハ……


劉華仙の弟子か…」

荒い息づかいでの声がした


「劉華仙……。

老師の本名だったな…。

そう呼ぶってことは…あんたは、陸春華か?」

「ああ、ソウダ。

出ていきたいノハ、ヤマヤマダが…生憎、動けない。」



「ケガしてるのか?」

幸大がコンテナに近づくと携帯のライトで照らす


「な!?

血が……

すみれ、手当て頼めるか!」


「応急処置までしかできないわよ!

救急車を…」

「ダメダ……」

春華が言う


「訳ありか……」

クリスが言う


「仕方ない。

応急処置をしたら仙湯にぶちこむぞ!」

幸大が言う


「取り敢えず、血を止めるからあんたのシャツ貸しなさい!」

すみれが言う





数分後

「取り敢えず、傷口を圧迫して出血量を抑えてるけど血が止まりきってないから失血死しても知らないわよ!」


すみれが言う


「俺が背負っていく。

なずなは家に連絡して仙湯に入れるように言ってくれ。」


「わかった、任せろ。」



「よいしょっ!」

あずさが春華を幸大の背中に乗せる

「落ちるなよ?


龍流し、虎喰、燕遊。」

虎の幻影が武神流の総本山まで直線で走りだし、龍の幻影が幸大の進むべき最短の道を駆ける

幸大は燕の幻影を纏い最適な動きで移動する





「あいつ……オリンピック出れるんじゃない?」


朱里が言う