「へぇ…」

「じゃが…それを快く思わん者がいる。


先日、お主を襲った中国の女性を覚えとるか?」


「はい。

名前とかは知りませんけど…」


「あやつの両親はワシが殺した。」

「え!?」


「まだ日本に来る前のことじゃ。

そして、あやつの兄弟を…体の拳聖が殺した。」


「…。

理由があるんだろ?」


幸大が言う



「詳しくは体の拳聖に会って聞いたら良いじゃろうな。


とりあえず、この手紙はその中国の女性のことが書いてある。


体の拳聖によろしく言っといてくれんかの?」


老師が窓から出ようとする


「体の拳聖はどこにいるんだ?」


「隣町じゃよ。

電車で20分じゃ。


住所までは知らんが…なぜかお主は武人を惹き付ける。



幸大、拳聖は過去1000年において同じ弟子を同時にとることは1度もなかった。

が、技の拳聖やワシはお前を弟子と思っておる。



その意味がわかるかの?」


「さっぱりだ。」


「それならそれで良い。

では、頼んだぞい。」




老師が窓から飛び降りた




「とりあえず、俺の師匠は必ず窓から入って来るのはわかったよ。」


「おや…そんな呆れた顔をされるとはな…


せっかくだから1度、お見舞いにと思ったのだがね。」



入れ違いで才蔵がやって来た


「お父さん、ちゃんと入り口から入ってよ!

僕だけ遠回りさせて…」


あかねが病室に来て言う



「お前の病室はいつも賑やかだな。」

泰介が言う



「ああ。

俺は寂しがり屋だからちょうどいいさ。」