「僕もすぐにおいとまするけど、ちょっとだけお邪魔するよ?」


「師匠…窓から入って来るなよ!」

幸大が言う


「まぁまぁ、はい、僕のお見舞いの品だ。」

幸明は小瓶に入った白く濁った液体を渡す


「これって…仙湯の?」

「そうだよ。

あれは浸かっても、飲んでも効き目はあるよ。」


「へぇ…」

「仙湯は昼間12時に水が無くなり浄化され、昼間の14時にまたお湯が満たされるからこれも昼間の12時になると消え去り、この瓶には戻らなくなるから早めに飲んでほしい。

さらに、これは君には特別に効果がある。


治りも早いから飲むといい。」



「じゃあ…」

ごくっ、ごくっ…


「どうだ?」

なずなが言う

「とくになんとも…

てか、これって幸明が入ったあととかじゃねえよな?」


幸大が言う

「そんなわけないじゃないか…

僕は基本的には君の味方だというのに…」


幸明が言う

「そうよ。

こういうのは、お湯の出る場所から汲んで…」

すみれが止まる

「そう言えば、あそこってどこからお湯が出てたの?」

シェリーが言う

「お湯が循環してる感じじゃなかったよね。」

ジニーが言う


「水面も揺れてませんでしたし…」

ツバメが言う


「ん?

ジニーやシェリーは仙湯に入ったことあったっけ?」

幸大が言う


「昨日の夜、私たちも筋肉痛や傷が治ってないって言ったら…あんたのこの師匠が仙湯に案内してくれたのよ。」

シェリーが言う

「皆で入って遊んで、楽しかったよ!」

ジニーが言う



「…。

あの、もしかして…」

あかねがすみれが硬直した理由に気づいた



「僕は入ってないよ?

昨日の昼間の14時から僕がさっきのお湯を組むまでに仙湯に入ったのは…ここにいる女性たちだけさ。」


幸明が笑う