ハートフル・アーツ

ドンッ!!


「いってぇーーーーーー!」


思い切り吹き飛ばされた幸大が叫ぶ


「さて…あのトラックを止めるんだ。


それから…武神流のコツを教えてあげよう。」

トラックが近くに迫る



「君は技を打つとき闇の中で闘おうとする。


そうじゃない。

君はこの現実の確かな世界の一部として…

世界を、現実を超えた技を打つんだとイメージした方がいい。


君ならもうできるはずだ。」

幸明がその場を離れる



「くそっ!!


やってやる!!」



フッ…


幸大の視界は周りの全てをスローに映し出す


(周りがゆっくりなら俺のスピードもゆっくりに…)


幸大が己を見ようとしたが…そこには己の姿が見えない


(マジかよ!?


とにかく…トラックを止めるか。


せっかくだから…前に打てなかったあの技で!


ってやったら運転手が死ぬか…

まずは王剣でタイヤを切って…いや、そもそも勢いを打ち消すだけなら…


一撃で静かに止められる!!)




「幸大!!」

なずながトラックが迫る幸大に向かって叫ぶ



「武神流奥義・王槌!!」


ドパァンッ!!


幸大の拳はトラックの正面を叩き、トラックは物理法則を無視したかのようにピタリと止まる



「?

今までみたいに幻影が出ない?」

幸大が呟く

「あのイメージは周囲を威圧しているだけで、むしろ与えるダメージはその分弱まっている。


それを相手にぶつければイメージは出ない。

喰らった相手にしか見えないんだ。


ただ威力は格段に上がるさ。」


3人はその場を離れながら話す