ハートフル・アーツ

永塚の拳がなずなに当たる瞬間だった



ドパァンッ!!


「ぬぉっ!?」

永塚が真後ろに飛んだ



「武神流奥義・王砲。」


なずなの顔の横からは幸大の拳が伸びていた


「悪いな…待たせた。」

幸大が言う


「幸大!?

鍵は!?」


なずなが言う


「フェンリルが持っていた。」

クリスが言う


「相楽のことだから…と思ってな。

瓦礫の中から見つけるのは大変だったぞ…感謝しろ。」

フェンリルが言う


「私たちも手伝ったけどね。」

朱里が言う

「士郎が何かやってたから…気になって、ね。」

明日香が言う




「くそが…


こっちは全滅、か。


だが…俺が危惧していた幸大はボロボロ!!


残りは雑魚!!


勝ち目はない!」

永塚が笑う


「全員でやれば…」

なずなが言う


「下がってろ…」

幸大が言う

「あんた、ボロボロで…」


すみれが言う


「なら…さっさと殺してやるよ!!」


永塚が襲いかかる


「王槍!!」


ドンッ!!

「がはっ!?

何だ!?

あり得ない!」



永塚が鉄骨を投げる


「流流し…」


ゴォッ!!

鉄骨に幸大が触れた瞬間だった


鉄骨に龍の幻影が絡み付き鉄骨の軌道を逸らした


「このやろーっ!!」

ブンッ!!

永塚が空のドラム缶を投げつけた


「王剣…」


スパンッ!!


幸大の拳でドラム缶が切り裂かれた