「母の言う通り…この背中のせいで誰も私を愛さなかった…


その恐怖や記憶も合わさってこの背中を見られるのがトラウマになったのよ…


永塚たちも知らない私の秘密よ…。」



シェリーが言う

「ふぅん…

たかが火傷の痕で…虐めるなんてな。」

幸大が言う


「たかがって…」

シェリーが言う

「確かに、シェリーにとっては思うところがある火傷の痕だよ。


ただ、俺たち第三者がそんなにお前を嫌う理由にはならない。


だから、出会った奴らが最悪だっただけで…お前が愛されないわけじゃない。


だから、気にすんな…とは軽々しく言えないけど…愛されないって決めつけるのは良くないだろ?」

幸大が言う



「でも…今まで…私の背中を見た人は誰も私を愛さなかったわ。


私を好きだとラブレターをくれた子も、背中を見たとたんに『騙したな』『気持ち悪い』と。

この背中を見た誰もが私を愛してこなかったわ。」


シェリーが言う


「お前の父親は違うだろ?


お前を愛したはずだろ?」


「それは…」



「そんな人の傷を見て軽蔑するような奴らなんかに愛されても嬉しくねぇだろ?


それに…世の中、お前の背中を見ても愛してくれる奴なんかいくらでもいるって。」

幸大が笑う