数分後


ちゃぽんっ…


3人は浴槽にいた



「落ち着いたか?」

幸大が言う

「ええ…」

シェリーが言う

「あのさ…背中のこと聞いてもいい?」

ジニーが言う

「興味本意で人の心の傷に触れるつもり?」

シェリーが言う

「べつに…敵だし。

人の家のお風呂で悲鳴をあげて、理由を聞かないわけないでしょ?」

ジニーが言う


「…。

聞いてもつまらないわよ?」

シェリーが言う


「それでもシェリーにとっては大切なと言うか、大事なことなんだろ?

だったら、聞く価値はあると俺は思うよ。」

幸大が言う



「ただの母親からの虐待よ。」

シェリーが天井を見ながら言う



「私の母は若い頃は北欧美人と呼ぶに相応しい女性だったわ。

母の若い頃の写真を見るたび私もこんな女性になりたいと思った。


母は40歳で私を産んだわ。

たまにニュースでも聞く高齢出産よ。


父が日本人だから私はハーフとして産まれて近所でも美人だと評判だったわ。

母に負けないって…。


私が10歳の頃、母は50歳。


母は目に見えて老いていたわ。

普通の50歳の人以上に。



母はモデルやら女優やらをこなしていたけど…体調管理はほとんどサプリや薬に頼っていた。


体調が悪いからと言っては数種類の薬を飲み、食事は1日一回の低カロリーであとはサプリ。


そんな風に生活したから体は老化に耐えきれず一気に衰えた…と医者は言っていたわ。」

シェリーがジニーを見る