ハートフル・アーツ

「死ねぇ!」

フェンリルが攻撃を仕掛ける


「よっ、と!」

幸大は公園の噴水の中に飛び込む


「操・流流し!」

ザァッ!!


幸大は噴水の水を掴み両手で操る


「何だと!?」


「まずは、ジニーのほっぺを殴った分!!


武神流我術、操・流流し…

螺旋水龍槍!!」


バシュンッ!!

左右の手から槍投げのように放たれた水は小さな螺旋を描きフェンリルを襲った


「がはっ!?

水圧がこれほどとは…どれだけの勢いがあるんだ!?」


フェンリルが攻撃を喰らっている瞬間に幸大は砂場に移動した


「待て!!」

フェンリルが苦しそうにしながら走る




「これは…ジニーの顔面を蹴った分!!


武神流我術、操・流流し!


砂塵砲槌!!」


幸大は砂場の砂を両手で絡めとりフェンリルの方へと押し出した


それはまるで大砲のように丸くなった砂の塊がフェンリルにあたる


「ぐっ…が…」


ザァッ!!


フェンリルに当たった瞬間に砂は崩れ落ちた


「何だ…げほっ!?


まるで…岩を投げられたかと…思った…」

「これで最後だ。」

「くっ…」


「武神流、天義!!


纏風槍!!」


ゴウッ!!


ドシュンッ!!


「あ…」

フェンリルは十分な声を発することも無く、吹き飛んだ

幸大はフェンリルには触れなかった

幸大の拳を打ち出すモーションに合わせて槍の幻影が放たれた

それは槍の幻影そのものが攻撃であるかのように、フェンリルに当たるとフェンリルを吹き飛ばした