「幸大、ワシの修行が役立ったじゃろ?

意識の向こう側のさらにその先の感覚。」

老師が言う


「ああ、まぁ…相手の動きは読めたけど…」

幸大が歯切れの悪い言い方をする


「で…彼女の下着の色は何色かのぉ?」

老師が言う


「む…紫です。」

幸大が言う


「!

キサマ、何ヲ!!

イツノマニ!!」

春華が言う


「踵落としの時に…」

幸大が言う


「ほぉ…幸大は闘いの最中にも女性の下着だけはきっちりと確認しているのだな。」


「この声は…」

幸大は背後から聞こえる怒気に包まれた、馴染みのある声に恐怖しつつ振り返る



「なずな…

こんなところで会うなんて奇遇だな…ははは…。」

幸大が言う


「問答無用!!」


バコォンッ!!


「げふっ!?」


幸大は吹き飛んだ

春華に殴られたよりもさらに飛距離を伸ばす


「ふんっ!!」

なずながまだ怒っていた


「コイツハ…誰ダ?」

春華が呟く



「それは私のセリフだ。


お前は幸大を誘惑しに来たのか?

それとも、倒しに来たのか?」


なずなが言う


「コイツハ倒ス。

ガ目的ハソコノ劉・華仙ダ!!」


春華が言う


「だったらさっさと幸大を打ちのめし、この者を持っていけ。」

なずなが言う

「何ダト?」

「私は幸大を教育しなければならないから、さっさとしてくれ。」

なずなが言う


「ヨクワカラナイガ…3人ガ相手デハ分ガ悪イ…


今日ハ退イテヤル!!」


春華はスーツ姿の男たちをそのままにして立ち去った



「さて、帰るかの…」

老師が言う


「そうですね。」

幸大もそそくさと老師のあとを…


ガシッ!

「幸大…たまには私の家に遊びに来てほしい。

と言うわけで行こうか?」


なずなが幸大の後ろ襟を掴んで引きずっていく


「だから、朝霧の一族の人の運び方はこの方法って決まってるのかよ…」

幸大が呟く