ハートフル・アーツ

とある廃ビル


「ここだよ。」

ジニーが言う

「ほぉ…」

なずなが入ろうとする


「なずな!!」

ぎゅっ!!

幸大がなずなを抱き締めた


「ひゃっ!?

幸大、何を…」


ガシャンッ!!


なずなの前に椅子が落下してきた

「!」

なずなが幸大の止めた意味を理解した


「ジニー…どういうことだ?」

なずなが言う

「おかしいな。

僕らが来るときはいつも外に見張りがいるはずだが今日はいない。」


クリスが言う


「…しゃあないな。

今日は帰るか?」

幸大が言う

「せっかく来たのに?」

ジニーが言う

「ピリピリした気配が漂ってる。

殺気も。」

幸大が言う

「私たちの姿を見せたら多分気づいてくれるよ。」

ジニーが言う

「入ってみるか…」

クリスが言う

「やめとけ。

扉を開けたら3人の奴が臨戦態勢で構えてる


入ってきた奴の顔を確認せずに攻撃してくる。」

幸大が言う

「そんな…」

ジニーが言う



「へぇ…スゴいじゃん。

扉を開けたらどうなるかわかるなんてね。」


後ろから特攻服を着た数人の男女が立っていた



「朱里(アカリ)!!」

ジニーが言う

「メールを見て迎えに来たよ。

ただここはマズイから場所を変えるよ。」

朱里が言う

「え?」

「ちぃと…厄介なことになったんだよ。」

朱里が言う


「なった…じゃなくて今もなっているようだが?」

クリスは周囲を取り囲む不良たちを見回しながら言う