ハートフル・アーツ

「ふぇ…?」

ジニーが泣きそうな顔のまま状況が飲み込めなかった



部室の空気は固まっていた


「な!?

バカ幸大!?

何をしてる!!」

「え…あ、その…」

「ひゃっ!?

幸大、あんまり動かないで…」

ジニーが言う




「ふぅ…

状況を確認しよう…。

幸大…なぜ貴様がジニーの胸に顔をうずめているのだ?」

「それは…

てか、頭が動かないし!」

幸大がうずめたまま言う


「だからくすぐったいから動かないで…!」

ジニーが幸大の頭を抱き締めたままだった


「ジニー…離せ。

幸大が窒息死してしまう。」

なずなが言う

「うん…。」

「ぷはっ!?

色んな意味で天国が見えた!!」

幸大が言う

「そのまま窒息死したほうが良かったのかもな。」

なずなが言う

「酷いって。


ジニー…これを着て。」

幸大が自分のブレザーを渡す


「いやぁ…見事に面白かったぞ?」

老師が天井に『立っていた』

「老師…コウモリじゃないんですから。


なずな、ジニー…。

俺が胸に飛び込んだのはこの老師が俺を天井から落として体勢を崩してる状態で後ろから押されたからたまたま胸に飛び込んだだけだぞ?


決してやましい気持ちはなかった!!」

幸大が言う