「次は風じゃが…実際に風の塊を体験した方が良いじゃろう。


そこに立っとれ。」


老師が幸大から目測だが最低でも5メートルは離れた

「え?」

老師は両手を一度広げ、風を巻き込むような仕草で胸の前に両手を持ってくると次の瞬間、両手を重ね幸大に向かって一気に押し出す

「螺旋風!!」


ゴウッ!!

「ぐあっ!?」

幸大が吹き飛ぶ


その姿を見ていた一匹の野良猫の目には動く老師と吹き飛ぶ幸大しか映らなかった



だが、幸大と老師には見えていた

螺旋状に渦巻く空気の塊が老師から押し出され幸大へと向かう様子を


見えていたからこそ幸大は咄嗟に流そうとしたため、渦巻く風を流し、残った迫りくる風を受けて真っ直ぐ後ろへ吹き飛んだ



「なかなかじゃな。

本当ならグルグルと横に回転しつつ吹き飛んで面白いのじゃが…つまらんのぉ。」

老師が言う