「あれ?ほんとだ。

買い出しにでも行ったんじゃないの?」

帰り際の女の先輩をドアの前で呼び止めて聞くと、

「上だろ、上」

「和宏の部屋だよ。取り込み中なんじゃん?」

達弥先輩と話していた男の先輩達が、

天井を指差してにやにやと笑いながら交互に言った。

「あっ…もーやだぁ」

女の先輩も何かに気づいたようにクスクス笑って、帰っていった。


「んじゃ、俺らもそろそろ帰ろうぜ」

「おう。じゃーな達弥」

「ああ」

ぞろぞろと、皆が帰り出す。

誰かが耳打ちをすると、達弥先輩は軽く相手をこづき笑った。

そしていつのまにか部屋には

私と達弥先輩だけが残った。