「着いたぞ。」
「あ、ありがとうございますっ」
「…いつまで俺のこと抱きしめてんの?」
え。
「……う、うわぁぁぁぁぁ!すいませんっ」
あたしは、慌てて手を離し、彼に顔を見せないように走り出そうとした。
今、あたしの顔は絶対赤い…
しかし、彼は莉架の腕を掴んで引き留めた。
「…おい。名前は?」
「えっと…黒崎…莉架です」
「莉架か。俺は結城 蓮。よろしくな!」
蓮君は、爽やかな笑顔で言った。
「は、はいっ!…あっじゃあ行きますねっ」
莉架も、飛び切りの笑顔で返した。
「その笑顔反則だろ…///」
蓮がそう呟いているとは知らずに。
