「マルコ♪」


「ん………」


「もう、起きなさい」


「ぬおお!?」


「寝過ぎだ。馬鹿」


「ん…お前等か……ん?何か忘れている気が……」


「鍛練の事でしょ?時間ぎりぎりだよ」


「ほら、立て。あの人が何故お前と鍛練するのがわからないが」


『彼』が手を伸ばす。


反射的にその手を掴もうとする。


手が空中で止まる。


「どうした?『マルコ』」


「どうしたの?『マルコ』」


「…………黙れ……」


『彼』と『彼女』は竦み上がる。


マルコの目に。


竦み上がる。


「思い出したよ…違和感があってよかった」


マルコがぬぅ…と立ち上がる。


「まず……お前等が俺をマルコと呼んだこと。俺は昔は違う名だ。馬鹿神に聞いていないのか?」


髪が黒髪から紅に変わり、目も紅く染まる。


「あと、あいつが俺に手を伸ばすはずがない」


背中からはカラスの羽根を生やし、拳を鳴らす。


「俺のだーいじな思い出汚したからにゃ、お前等は修正なんかしない。べそかかせる程度じゃ、おさまらねぇ」


右拳の親指を伸ばし、首をかっ切る仕草をする。


「GO TO HEVEN」