次の日の朝、ガブリィは巨大な地鳴りで目を覚ました。


「ここは天界…地震は起こらないはず…」


遅れて廊下が騒がしくなる。


すぐさま着替えて廊下へ出てみると異常な景色が眼に舞い込んだ。


神殿入り口で煙が上がっていた。


「ガ、ガブリエル様!非常事態です!」


廊下を走っていた一人の天使が足を止める。


「わかっている!何が起こった!」


「悪魔が一匹、一匹だけでこの神殿を破壊して行きます!!」


ガブリィは驚愕した。


ここは天使と神しか入れない。


悪魔には神殿に入るどころか天界にすら届かない。


なのに、なぜ……と、考えているとまた、轟音が響き渡り、遠方で砂煙が舞う。


(兎に角行かねば)


ガブリィは走った。