体育館の中をその人が走る。

黒い髪が揺れる。


そして、




―――――――――パシュッ…



その人の放ったボールは綺麗な弧を描いて、ゴールの中に吸い込まれていった。



「………徹…」



徹の回りに人だかりができて、みんなハイタッチをしだす。


徹、バスケ上手いなぁー…なんて思ってたら、




徹がこっちを向いた。



ふっ、と視線が合う。




心臓がきゅ、となって体が熱くなる。


なんかき、緊張してるよーー…




すると徹は少し笑って私に何かを言おうとした、






その時。








「―――――――――徹くぅんっ!!」






…………んんっ!?