「残念ながら・・・」
真っ白なシーツ。
つんと鼻を突き刺す消毒薬のにおい。
あぁ、ここは病院なんだ・・って
苦しいほどに実感する。
残念ながら?
ふーん。
私、死ぬんだ。
病室のベッドに横たわったまま、私は隣で泣く母を睨みつける。
もちろん、心配そうな顔する姉さんも、だ。
「うわあああ・・・!舞ぃぃ!」
「お母さん落ち着いてっ・・」
ヒステリーで自分のガキひいきする最低母さんと
誰からも人気者な才色兼備な姉さん。
私は、こいつら二人が嫌いで嫌いで仕方なかった。
見るだけで虫唾がはしる。
ねぇ、母さん
その姿は何?
私を哀れんでるの?
それともそれは、うれし泣き?
ねぇ、姉さん
その目は何?
いつもは私を、ゴミでも見るかのように見てるのに。
最後の最後のかしら?
・・・ハッ
くだらない

