―――カキーンッ…





「くそっ」




思わず地面を蹴飛ばした。




試合は、両者一歩も譲らず4回裏。




さっきまでの試合より明らかにヒットを打たれてしまっているのは、もちろん真木のクラスが強い、というのが一番なのだが。




どんどん激しくなる頭痛。



おまけに、今日は暑くなると天気予報で言っていたくせにやけに寒い。


そのくせ体の内側は妙に熱くて。




額を、暑さのせいではない嫌な汗が流れていくのがわかる。





めったに体調なんて崩さないのに。




最悪だ―――



グイッと汗を拭い、思わず空を仰ぐと





「キャーッ!!!」





甲高い女子達の悲鳴が容赦なく耳を貫いた。