乾いた音に―――聞き覚えのある声。






まさかと思って目を開くと






「……うそ…」





チンピラの振り上げた腕をつかむ真木がいた。






「…な…がっ!!」





何かを言いかけたチンピラの顔面に膝を叩き込み、振り向きざまにもう一人のチンピラに殴り掛かる真木。





「…ざけんな…!!!」




膝蹴りをくらって鼻血を出したチンピラが真木に向かって襲い掛かる。





「うっ…!!」





思いきり顔を殴られた真木が地面に倒れこんだ。





「ちょっ…真木!!大丈夫真木!?」




「アンタは自分の身を心配しろよ」






ニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべたチンピラがあたしの胸倉をつかんでくる。




こいつカエルみたいな顔しやがってっ…!!!





あたしは男の急所を思いきり蹴り上げた。





「うがっ!!!」


カエルが踏みつぶされたみたいな声を出してあたしから手を離すカエル男。





「真木っ!!!」




真木に駆け寄ろうとしたあたしにもう一人のチンピラが殴り掛かってきて。





「っやめろ!!!」





真木がソイツの足を掴んで引きずり倒した。





そのままあたしに背を向け、あたしを庇うようにして立つ。





「テメェ…」