っまた…!!!
しかもここ普通の道路だぞ!?!?
「やめっ…!!」
逃げようともがくあたしの後頭部がグイッと引き寄せられて。
わずかに開いた口の隙間から何かが差し込まれる。
っ…何だよコレ…!!
舌を絡めとられて息ができない。
いくら逃げても追いかけてくる。
上あごをツ…と舐められた時、あたしは力いっぱい真木を押し返した。
そしてそのまま思いきり右手を振り上げて
「って…」
初めて全力で人をビンタした。
「ふざけんな…!
年上ナメんのも大概にしろ!!!!」
周りの視線も気にせずダッシュする。
今日、自分の隙を見つめなおそうと思って稽古したのに
やっぱりあたしは隙だらけなのか。
簡単にこんなことをされてしまった自分が腹立たしい。
真木翼。
アイツと関わるとロクなことがないってあたしの本能が言ってる。
あたしはもう
二度とアイツに関わらない。