「っはなせっ…」




ともがくセンパイを閉じ込める腕の力を、更に強くする。





もう二度と、はなさないように




傷つけることがないように。







「音羽はただの幼馴染です。センパイに自分が彼女って言ったのなんて全部アイツの出まかせで」





だからどうか





「…最近、アイツにセンパイのこと話したんです。
そしたらなんか逆上して…先に自分の方が好きだったのにって。

それで、高校違うし最近全然会ってなかったのに、急にバイト先一緒にしてきて。
家にも押しかけてくるようになって…言っときますけど部屋にはいれてませんからね!?
親が勝手にリビングまで入れましたけど」






どうか





「…信じてくれますか?」






信じて欲しい。