生意気なKiss





「…ただの幼馴染の割にいつも一緒にいたみたいだけどな」



「…最近、アイツにセンパイのこと話したんです。
そしたらなんか逆上して…先に自分の方が好きだったのにって。

それで、高校違うし最近全然会ってなかったのに、急にバイト先一緒にしてきて。
家にも押しかけてくるようになって…言っときますけど部屋にはいれてませんからね!?
親が勝手にリビングまで入れましたけど」




真木は一気にそこまで喋ると、少し緊張したように、あたしの目を覗き込んだ。




「…信じてくれますか?」




…真木のあたしの腕をつかむ手に、痛いくらいに力が入る。



その手が少し震えているようにも感じて





「…じゃぁ、一つだけ答えて」




真木の目をまっすぐに見つめる。





「真木が好きなのは、誰?」




目を大きく見開いた真木が、


唾をゴクリと飲み込んだのがわかった。





「…俺が好きなのは、センパイしかいませんよ」




まっすぐな視線が、あたしの心をフワリと軽くする。




嘘も偽りも何もない



強くて透明な



一直線の




「…信じるよ」




そう言って思いきり胸に飛び込むと




一瞬体をビクッと震わせた真木が、強く強くあたしの体を抱きしめた。




もう離さないと言うように。




だからあたしも




「…好きだよ」




たまには素直になってみようか。