生意気なKiss





「さっきから全然喋んないね。楽しくない?」


「いや…別に」




て、いうか!



「ま、いいや。とりあえずカンパーイ☆☆」



顔ちっか!!!



「ていうか爽月ちゃんって男顔だよねー。
その辺の男より超イケメンじゃない?☆」



…コイツはさりげなく喧嘩売ってるのか?




あたしは無視して目の前の枝豆を食べる。





「あ、俺も枝豆食べよー☆」




勝手に食ってろ!!!




金髪男が少しでも動く度、男のクセにやけに甘い香りが漂ってくる。





…あたしは香水が苦手だ。



チャラチャラした男も苦手だ。




「爽月ちゃん合コン来てるってことは彼氏いないんだよね?」



「……」




よく分かんないけど、どうも真木にはあたし以外に彼女がいたみたいだしな。




考えるとまたイライラしてきて、とりあえずビールを一気飲み。




「連絡先教えてよ~☆」




ドンッとジョッキをテーブルに置いたあたしの肩に、軽く金髪男が触れた。




瞬間


ブワッと体中の毛が逆立つような感覚がして




「触んな」




バシッと男の手を払いのけていた。





真木の彼女が誰なのかはよく分かんない



分かんないけど



あたしは真木以外の男に触られるのは嫌で



真木にしか触られたくない。




遊んでやろうと思っても



やっぱり考えるのは真木のことばかりで



全然他に集中できない。