生意気なKiss





「…彼氏に直接話聞かないのが悪いんでしょ。
バーカ!だけ言って一方的に切っちゃうなんて。幼稚園児か」




ケータイをいじりながら呆れたように言うのは京香。




「…だって」



「あんた最近、何かというとすぐだって、って言う。
わかってる?」


「……」



相変わらず手厳しい。




「やっぱさ、恋の傷を癒すのは新しい恋だよ!

ということで合コン行こ爽月!!!」



食べかけのチョコを持っていない方の手で、若葉がガシッとあたしの手をつかんだ。




は…



「合コン!?」



「そう!ちょうど昨日友達から誘われたんだけど人数足りてないらしくてー!
ちょうどよかった!!」



ちょうどよかったって…




「いや…いいよ、あたし合コンとかしたことないし」



「そうだよ若葉やめなよ、またややこしいことになる」



冷静に京香が止める。




「えー!合コンしようよ!楽しいよ!しかもサッカー部だよ!?」



うちの大学のサッカー部はイケメンが多いことで有名だ。



「いやでも」


「しかもさ、女と遊んでるんでしょ!?爽月の彼氏!!

だったら爽月だってちょっとくらい遊んでよくない!?」



「…いや…でも」




「それにもし合コン行くっていったら彼氏がどういう反応するか…


みてみたくない!?」



「いや…」





……確かに。