え、と顔をあげると同時にウノを奪い取られて
反転する視界。
「…え!?」
気付くと布団の上に倒されたあたしを、上からじっと見つめる真木がいた。
「…あー、と?」
トン、と頭の横に長い腕が伸びてきて、思わずゴクリと唾をのんだ。
「え…っと、ウノは?」
「もう終わりです。十分遊んだでしょ」
「ずっズルいぞ!?負け逃げするつもりか!?」
「なんですか負け逃げって」
クスリと微笑む真木が妙に大人に見える。
真木はゆっくりあたしの頬に手を伸ばすと
「…だいたい言ったでしょ、覚悟してきてください、って」
ちょっと切なそうに撫でてから、あたしの首筋に顔をうずめた。
「っ!?!?」
顔にあたるフワフワとした髪の毛がくすぐったい。
「ちょっ…真木!?やめっ…」
「やめれません」
至近距離でぶつかる真木の瞳が、いつもとは違う熱を孕んでいて
「…ん、」
何も言えなくなる。
塞がれた唇から伝わってくる熱が
ギュッと抱き締めてくる腕が
全身で好きだって言ってくれてるような気がして
大切だよって言われているような気がして
「…センパイ」
抗えなくなる。



