生意気なKiss







「終わったか?」



「センセー!!!」





ちょうど稽古が終わって防具を外した時、ひょっこり親父が顔を出した。




その瞬間ワッと子供たちが親父に群がる。





…へー。親父人気じゃん。




大人の教え子たちに囲まれている時よりも、なんだか笑顔が優しく見えた。





「どうだった?爽月先生は?」




親父が子供たちに聞く。




すると生意気なガキが





「んー!センセーより剣道下手だった!」





コイツ…





「でも」




生意気なガキはあたしを振り向いてニッと笑うと






「楽しかった!!また来いよ!爽月!!」





…呼び捨てかよ。



ほんとに生意気なクソガキ。





でも



なんだか自然に笑顔がこぼれて






「…おう!」




グッと親指を立ててやった。