「お前がセンセーの娘か!?」
稽古着に着替えて道場に行くと、生意気そうなガキがそんなことを言ってきた。
「そうだけど?」
「お前強いのか?」
生徒はコイツをいれて5人。男子3人、女子2人。
皆小学3・4年生くらいだ。
「ま、お前よりは確実に強いだろうな」
するとその生意気そうなガキはピクッと眉をひそめて
「じゃー勝負しろ!!!」
グイッと竹刀を突き付けてきた。
「ちょっと空くん、やめなよー」
女の子がホワワンとした声でそうたしなめる。
なんかこの子、雰囲気が愛海に似てる。
「俺と勝負して勝ったら、センセーの娘って認めてやるよ!!」
「あぁ?」
ほんと生意気な奴…親父どういう教育してんだ?
「別にいいけどその前に素振り50本。そしたら跳躍面50本。はい始めー」
「くそっ…逃げるなよ!?」
ガキはブツブツ言いながらも素直に素振りをはじめた。
…あ。意外と刃筋綺麗じゃん。性格ひん曲がってそうなのに。



