「広っ!」
おそるおそるリビングに入って、まず思ったことがそれだった。
家自体デカいし、綺麗だし。
「そうですか?別に普通ですよ」
コイツんち絶対金持ちだな…
そう確信するあたしをよそに同じく広いキッチンで冷蔵庫を漁っている真木。
「ありあわせでいいですか?」
「あ、うん」
「ちょっと待っててくださいね♪」
「なんか手伝おうか?」
「いいですよ♪センパイは座ってテレビでも見ててください♪」
テキパキと準備を進める真木にあたしが手出しできる隙は全くなさそうで。
「……」
あたしは大人しくソファーに腰かけた。
全体的に白い家具で統一されたリビングは、隅々まで整理整頓が行き届いていて。
テレビの横の棚には、いくつかのトロフィーが飾ってある。
写真たてには、そのトロフィーを持って笑う真木がいた。
「中学生料理コンテスト、優秀賞?」
「恥ずかしいからあんま見ないでください…」



