「あ、あの猿センパイに似てません?♪」
「は?」
着いた先は動物園。
猿山の前を通りかかった時、真木が面白そうに一匹の猿を指さした。
「ほら、あの山のてっぺんにいる奴」
見ると、そこにはボス猿らしい猿がリンゴ片手に鋭い視線で他の猿たちの様子を見守っていた。
「…あんなに偉そうか?あたし」
「偉そうっていうか、あの、この山は俺が守る!みたいな雰囲気が」
「へー…」
「あれ、なんか機嫌悪い?♪」
「別に悪くねぇよ」
悪くないけど
どこにボス猿に似てると言われて喜ぶ女子がいるんだ。
「お前はあの猿だな!」
負けじとあたしも一匹の猿を指さす。
その猿は他の猿に投げられたエサもサラリと素早く奪い取り、多くの猿からキーキー言われていた。
「え、どこがですか!?」
「…なんか神出鬼没なところ」



