「―――じゃぁ、今までの希望通りA大でいいんだな?」




「…はい」






高校三年の十月。




もう進路を決定しなければいけない時期がやってきた。





あたしは地元のA大が第一希望。






「まぁお前の成績なら大丈夫だろ。
意外と頭いいもんな、お前」


「意外ってなんだよ」





失礼な奴だな。





「じゃぁ帰っていいぞ」



「はーい…失礼しましたー」





教室を出て図書室の前を通りかかると、クラスメートの何人かが勉強しているのが見えた。





そうだよな…もう受験勉強も大詰めだもんな。




受験生かー…





なんか、自覚ねーなー。