走る。
走る。
走る。
何も考えずにただただ走って
気付いたらよく分からない海辺の公園に来ていた。
「はぁっ…」
手すりにもたれかかって、息を整える。
…何やってんだあたし。
自分でもよく分からない。
逆ナンは初めてだったけど、男に間違われることなんて日常茶飯事。
制服だとさすがにそんな事はないけど、今日の服はTシャツにジーパンっていう、女子度0のいつも通りの私服。
愛海にはもっと可愛い服を着ろとデパートでワンピースを試着させられたが、あまりの似合わなさに即行却下した。
…でもこんなんじゃ、いくら似合わなくてももっと女子っぽいカッコしてきたら良かったのかもしれない。
こんなことを思うのは初めてだ。
いつもだったら男に間違われたってまたか、くらいにしか思わないのに。
…信じられないくらいショックを受けてる。



