「あー、も! 話が長い!!」

始業式が終わり、教室に戻ると。
ののが私の机によってきた。

「まぁ、
恒例行事みたいなモンじゃん」

「うー.…。」

我慢が苦手なののには、
さぞかし苦痛だっただろう。

「つか、あの校長。
えー、しか言ってねえよな?」

『滝沢 千昌』が入ってくる。

「だからさー!」

ののは、急に声を張り上げる。

「原稿もってこい!って話だよ!!」

「なー?」

『滝沢 千昌』は、ニコニコ笑いながら
ののに同意する。

「なるも、そう思うだろ?」

一瞬、誰のことかわからなかった。

「…うん、
私、貧血気味でさー。
参っちゃうよー。」

なんでか、
自分でもビックリするくらい
不自然で棒読みだった。

「え!?なる、大丈夫??」

ののが、大袈裟に心配する。

「うん、なんとかねー。」

そんな話をしていると。

「ちっあきくーん。」

めちゃめちゃ、でっかい。
背の高い男子が乱入してきた。

『滝沢 千昌』に、強引に肩を組んだ。

「うっわ、なんだよ。」

制服の名札には
『雅 拓真』

ののも、初対面のようだった。
小声で、「だれ?」って聞いてくる。
私が知ってるワケないのに。
とりあえず、小声で返す。
「ミヤビ、タクマ?」