「ふぅ~」

今はベッドを使っている生徒もいない、俺一人の保健室。

一仕事を終え、一人コーヒーを飲みつつ休憩。


だけど、ノックもなくドアが開いた。


「ノックぐらいしなさいよ~。心臓に悪いじゃんか」


「うっせ」


やって来たのは一ノ瀬だった。

一ノ瀬はドカッと椅子に座り携帯を触り始めた。


「一ノ瀬さ?少しは授業に出なよ?」


「は?俺頭いいし」

もぉ~。最近の子ってひねくれてやんのっ。


「そうじゃなくてさー。そのうち大人なって『授業でときゃよかった』って思う日が来るわけよ」


「ぜってーねぇ」

返事をしながらも携帯から目を反らさない。


「今はそう思っていても後々後悔するの」


ほら、








「俺みたいにね」