「警察にもお世話になりたくもないし、教師もやめたくないですよね?」

俺が聞くと勢いよく何度も首を縦に振った。


「それじゃ、村井さんに自分がしたこと全部話して、謝ってください」

あの子は優しいからきっと許してくれますよ?


そう言うと、また首を縦に振った。






あの子は優しくても俺は優しくねぇからさっ?

口には出せないから心の中でそっと呟いた。


さて。

「屋上行きましょうか?」
あいつらも待ってるだろうし。



すっかり冷めてしまったコーヒーは、まずくて飲めそうにもなかった。