僕は田中輝
輝と書いてコウと読む
僕には彼女がいる
彼女と言っても小学生の時からの仲だから半分は親友みたいなもんだけどね
けどやっぱり恋愛感情でお互いのことを大好きと感じている
彼女は影山実紀という背が小さくて僕とは頭一個分ほど違う
明るくて太陽みたいな子だ
小さい時からずっと変わらない
そんな実紀が昨年いきなりの余命宣告を受けた
余命1年の末期ガンだった
それでも僕にはその事を2ヶ月も体調不良と言い張って学校を休んでいた
「こー、あたしがいない間に寂しくてないたりしちゃだめよー?」
と、子供になだめるような口調で言ってきた
僕はムキになって
「ほんのちょっとだろ?心配なんてしませんからー!ほら、さっさと行けよ!」
と追い払う仕草をして見せた
実紀は、傷ついたような素振りを見せたかと思うと、いきなり舌を出して
「病院で、イケメン君探して浮気しちゃおーっと!」
と言って車に乗ろうとした
気づいたらそんな実紀を引き止めて抱きしめていた
「……すぐ帰ってこいよ……浮気とかシャレになんないから…」
「大丈夫だって!輝。ちょびーと休むだけだから!浮気なんてしないよ、大好きなんだからぁ」
そう言って僕の頬にキスをして車に乗り込んで行った
僕はまだ、知らなかったから
事の重大さを感じていなかったから
こんな態度を取ってしまったんだ
車が見えなくなってから
母親がひとりごとのようにぽつり、と
あの子、あと1年生きられるかわかんないんだって
僕の心が壊れた瞬間だった
輝と書いてコウと読む
僕には彼女がいる
彼女と言っても小学生の時からの仲だから半分は親友みたいなもんだけどね
けどやっぱり恋愛感情でお互いのことを大好きと感じている
彼女は影山実紀という背が小さくて僕とは頭一個分ほど違う
明るくて太陽みたいな子だ
小さい時からずっと変わらない
そんな実紀が昨年いきなりの余命宣告を受けた
余命1年の末期ガンだった
それでも僕にはその事を2ヶ月も体調不良と言い張って学校を休んでいた
「こー、あたしがいない間に寂しくてないたりしちゃだめよー?」
と、子供になだめるような口調で言ってきた
僕はムキになって
「ほんのちょっとだろ?心配なんてしませんからー!ほら、さっさと行けよ!」
と追い払う仕草をして見せた
実紀は、傷ついたような素振りを見せたかと思うと、いきなり舌を出して
「病院で、イケメン君探して浮気しちゃおーっと!」
と言って車に乗ろうとした
気づいたらそんな実紀を引き止めて抱きしめていた
「……すぐ帰ってこいよ……浮気とかシャレになんないから…」
「大丈夫だって!輝。ちょびーと休むだけだから!浮気なんてしないよ、大好きなんだからぁ」
そう言って僕の頬にキスをして車に乗り込んで行った
僕はまだ、知らなかったから
事の重大さを感じていなかったから
こんな態度を取ってしまったんだ
車が見えなくなってから
母親がひとりごとのようにぽつり、と
あの子、あと1年生きられるかわかんないんだって
僕の心が壊れた瞬間だった