「こっこんな感じ?...って...」
「ひどい...」
あたしが書き上げたのは、幼い子が適当にギザギザを書いた変な物体のようだった。
「ひっひどいね...」
「ハハハッこんな向日葵、逆に見たいんだけど!」
「ぇえ!ぶっさいくだよ」
「じゃあ俺にも書かせて!」
川口君はあたしの手元から画用紙をとって、あたしの手から鉛筆をとった。
その時に一瞬だけど触れた指。
あたしの体が心臓になったみたいに、ドクドクした。
顔はみるみる熱くなっていって、呼吸がうまくできない。
触れるってだけで、こんなに緊張するものなんだ。

