「ごめんっ。さっきの大谷のこと、なかったことにしていいから」 川口君がそう言った。 なかったことに...しなきゃいけないのかな? 嫌だ...よ... そう言ったって信じてたいのに。 「何、しょげてんの?」 川口君はしゃがんだ体勢から少し顔をのぞかせて、あたしを見上げた。 くっ....反則だ! 「ゃ、なかったことにはしたくないなぁ...って///」 あたしは正直に言った。 もうこの際、開き直っていっぱいアピールしていこう。