次の朝来てみれば、教室はもうにぎやかだった。黒板には私の彼氏となるだろう、名前が書かれてあった。
『藤崎歩』
…だれ?
そりゃ、1人だった私にはわからない。
「藤崎歩ってやつが、あんたの相手。言っとくけど、校内で1番のイケメンくんなんだからね」
クスクスと笑いながら、女子生徒は言った。
あ、そうなんだ。校内で1番…え?!なんで?!なんでそうなる?!ぜ、絶対イケメンなんか私にはつり合わないし!ま、まってよ!!
テンパる私には状況が読めなかった。
藤崎歩。全くの、謎。
休み時間。
ガラッと教室のドアが開いた。
誰?何あのイケメン。
「あ!来た来た〜!歩〜!」
え?あの人が藤崎歩?ええええ!!!!私の彼氏になっちゃうの?!
「美咲?だっけ?どいつ?」
藤崎歩が、教室に入り込み私を探す。
「…」
私は気付かれないように身を潜めていたけど、バレるものはバレる。
「お前か…まぁまぁかわいんじゃねえの?」
え?
「え?あんた本気で言ってんの?」
女子生徒が笑いながら言う。
「おう」
わ、私がかわいい?今まであんなに地味だったのに?…
「美咲、よろしくな」
なぜか胸の奥が熱い。これは、恋なんかじゃないよね?
これは、

罰ゲームだよね?