「じゃあ、今日からお前らカップルなー」
放課後、リーダー的存在の女子が笑って騒ぎだし、『恋愛罰ゲーム』の始まりだ。
「おい、彼氏〜彼女大事にしなよぉ〜?」
みんなが盛り上がっている中、私は教室の端っこで本を読んでいる。
私は、野々宮美咲。中学の友達はみんな違う学校。これから友達つくろう!って…そんなテンションではこの学校にはついていけない。カップル際率→どんちゃん騒ぎ。
「小学生みたい」
つい声に出してしまった。
「ちょっと、あんたなんなのよ!」
1人の女子生徒が机を叩き叫ぶ。
「…」
私は黙り込んだ。足音をたてて女子生徒が近づいてくる。
「へぇー。あんたも恋愛罰ゲーム参加したいんだぁ?」
そ、そそそ!そんなこと言ってませんよ?!
「じゃあ、あんたの相手、私が選んであげる♪」
は、はぁ?!なんでそうなるのよ!
「えっ…」
私は言葉をつまらせた。何も言えようがない。言えない。
「明日!明日発表してあげるから、楽しみにね♪んじゃ、今日はバイバァーイ」
そう言って、女子生徒は教室を出て行った。そして、どんちゃん騒いでいたみんなも、しばしば帰り出す。
はぁ、なんでこんなことになるのよ。