「ミイ、本当にいいんだな?」 「ん………海斗にあげたいの。私の初めての全部。」 「そんなこと言われたら、まじで余裕ねーんだけど。」 初めての、幸せの痛み。 それを与えてくれたのが、海斗だった。 「ね、海斗!」 「ん?」 「私ね、海斗が大好き。」 「可愛すぎ。俺はミイの100倍愛してるけどな!」 彼は、みるくと胡桃を分けるのが面倒だと言って、『ミイ』と呼んでいた。 その特別な呼び方が、私は好きだった。 彼だけに呼ばれて、彼だけに許した愛称。 海斗が、私を救ってくれた。