話しかけられても無視して、触られたらその手を弾いて。 無視と無言を貫いた私に、海斗は何ヶ月経っても粘り強く話しかけてきた。 その裏表のない真っ直ぐな思いに、私は惹かれた。 いつの間にか、心を開いていたんだ。 「なんで泣いてるんだよ?」 学校の隅で声に出さず泣いている私を見つけてくれた。 「ありがとう、海斗」 「胡桃のためなら命だって、かけてやるよ!」 闇に溺れる私を、彼が光になって照らしてくれた。 「胡桃が笑えないんだったら、俺がその分笑ってやる。」